手技で魅せます Vo.2 霞工房

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から 「木漆工芸」を創作する
霞工房(かすみこうぼう) 山本冨士雄さんです。


都幾山慈光寺に程近い、ときがわ町西平地内のアトリエでお話しをうかがいました。

霞工房1


「ここにアトリエを開いて22年が経ちました。
ギター職人として修行を積み独立しましたが、
だんだんと形や色、機能に縛られない作品
作りたくなって、木漆工芸を始めたんです。」

昨年行われた第59回日本工芸伝統展に出品した
盛器(もりき・お茶席で使うお盆)が入選し、
宮内庁のお買い上げ品になりました。皇居や迎賓館で
使われるか、大使や国賓に対しての贈答品になるそう。
伝統工芸の技法が使われながらモダンな雰囲気を
併せ持つ作品が山本さんの持ち味と言えます。

霞工房2


「今年の埼玉県美術展覧会で入選したのがこの作品です。
栃ねじり紋 水指(とちねじりもん みずさし)といいます。
お茶席で茶釜に水を足したり、茶碗や茶筅を水ですすぐため、
水を蓄えておくための器でなんです。

以前から私は一目で伝統工芸だと思える作品ではなく
外角いっぱい、時代に即した普段使いのできる作品、
使ってもらうことで価値の出る用の美を追求したい
と考えています。」

特徴的な水指の形は挽曲げ(ひきまげ)という技法が
使われています。削り出して曲面を作るのではなく、
板材の曲げる部分にあらかじめ浅い挽き目を入れて
それを内側に曲げることで曲面を作っています。


斜め方向に挽き目入れることで、一辺一辺がねじれて
柔らかい線が生まれます。世界的にもまだ誰も取り組んで
いない技法ですが、他の誰もがやっていないことに取り組む
ことが木漆工芸の世界では非常に重要なんです。
誰かがやっていることをマネしてもつまらないでしょ(笑)」


実用的な食器など幅広く製作する中で、最近では
食器洗浄機の使用などに耐える、これまでの漆器では
対応が難しかった分野で、新たな塗装の手法を用いた
木の器の製作にも取り組んでいます。

霞工房3


町内の保育園・幼稚園で使う木の器を作っています。
園児の子どもたちが入園時から毎日使った木の器は、
卒園する時に家庭に持ち帰ってもらうそうです。
なので塗り直しなどメンテナンスもします。
自分の技術でそうした取り組みに役に立てるのは
嬉しいことですね。」

工芸展への出品作品はオブジェではなく実用品
あることが求められ、日本中のその道のプロが
しのぎを削るため、入賞するには厳しい世界。
「木のまち ときがわ」だからこそ木工芸の
分野で自分のように作品を出展する方が
たくさん現れて欲しいと語る山本さん。

山本さんの木漆工芸品は霞工房のほか、
建具会館でも展示販売しています。
建具会館へお越しの際は、ぜひご覧ください。


■霞工房ホームページ
 http://w01.tp1.jp/~a192498930/

■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049
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Tag:手技で魅せます 

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