手技で魅せます Vol.11 あんだんて

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から
「木製のおもちゃ、プランター、花台」など
さまざまな木工製品を制作する事業所 あんだんて さんです。


運営するNPOの代表理事 松井治子さんにお話しを聞きました。

あんだんて3


「あんだんて を運営するNPO法人Poco a Pocoでは、
様々な障がいを抱える人たちの自立社会参加を目指して、
働く機会を提供しながら一般の就労を目標に、知識や能力の向上を
お手伝いしています。利用者のみなさんが熱心に作る
木工製品がとっても好評なんですよ。」

あんだんては、東松山市内の障がい者就労継続支援B型事業所です。
病気や事故で思いがけず人生の選択肢にとまどい、生活のしづらさや
自身の障がいに向き合っている人が、一歩一歩今を変えるため、
一般企業で働く訓練として、木工製品の製造を取り入れています。

「事業所は最初、古民家を借りて行っていましたが、その建物のリフォームを
してくれた大工さんにノコギリやカンナ、ヤスリなどの道具の使い方
教えてもらったのが木工を始めたきっかけです。キーホルダーやペン立てなど
小物を作るうちに、だんだん手の込んだものが作れるようになりました。」

あんだんて1


木工にたどり着くまでは、ステンドグラスや畑仕事にも取り組んだそうですが、
小さな失敗をしても諦めなければまたやり直せる木工品の製造には
大きな可能性が見えたそう。事業立ち上げの際には器用なボランティアの
方に助けてもらったり、電動工具に詳しい職員の加入などで技術が向上しました。

事業所内で働くみなさんはどなたも熱心で、楽しみながら作業をしています。
製品を買った人から喜ばれることが何よりも嬉しいそうで、「障がい
を持つ人が作っているとは思わなかった」という感想もたびたび聞かれる
とのこと。作業に対してひたむきに取り組める理由は、素材の特徴だと語る松井さん。

「木は作業で失敗しても許してくれる素材だと思うんです。失敗した場所を
もう一度削ることができるという点が、諦めずにチャレンジする気持ちを
育んでいると考えています。木を一生懸命に磨いて、なめらかな面になると
大きな達成感を得られますが、これも木のおかげなんだよと話しています。」

あんだんて2


建具会館には平成23年から出品が始まりました。お手軽かわいい
木製品が評判で、あんだんての製品を目当てに訪れるお客様もいるほどです。
木のおもちゃをはじめ、キッチンツールやプランター、花台など、多くの種類が
置かれる建具会館はアンテナショップのようだと松井さんは話します。

「一般的に木のおもちゃは値段が高く、手が出しにくいもの。
それに比べてあんだんての製品は、気軽に買うことができると喜ばれます。
かわいくて、安心して使うことができて、作り手の思いが使い手に伝わり
絆が広がるような製品を、これからも作っていきたいですね。」

あんだんてでは毎年夏休み期間中、地域(東松山市内)の子どもを対象に
利用者が教える木工教室を開催することを通じて、障がい者と健常者、
子どもから高齢者まで一緒にものづくりに関わる機会を設けています。
障がいへの理解が深まるこの取り組みは、利用者のリハビリ効果も非常に
大きいそう。今後もチーム比企の心で、共生社会を目指していきたいと
抱負を語っていただきました。


■NPO法人Poco a Pocoホームページ
 http://www.poco-a-poco1115.net/
 

■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049
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Tag:手技で魅せます 

手技で魅せます Vol.10 関口商店

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から
「お頼み成就ストラップ」
制作する 関口商店 関口雄己 さんです。


ときがわ町西平地内の工房でお話しをうかがいました。

関口商店1


「関口商店は私の父(健司さん)が起業して開店しました。
昔から何かを作ることが好きだった父は、55歳までに
退職して何かを始めたいと考えていたようです。」

いずれは和紙が脚光を浴びる時代が来ると思っていたそうで、予想どおり
昨年、細川紙ユネスコの無形文化遺産に登録されました。
この和紙と地元の豊富な資源であるを組み合わせた商品が
「お頼み成就ストラップ」です。一見お守りに見えますが...

「色々なお頼みを印刷した細川紙の中に、地元の慈光寺
祈祷を受けたヒノキを納めたものがこのストラップです。
成就させたいお頼みの書かれたストラップを身に着けて、
目標に向かって頑張ろうと思っていただければと考案しました。」

関口商店3


どんなお頼みがあるかというと、交通安全商売繁盛など
よく見かけるフレーズから、豊作元気に育つ
EXAM SUCCESS(合格)、BEAUTIFUL LEGS(美脚)
などの英語版もあり、バラエティに富んでいます。
これからの季節は受験生に合格が喜ばれそうですね。

現在はこのお頼みが書かれたうちわも制作しています。
骨は仕入れていますが、風を生み出す地紙の部分はもちろん細川紙。
以前このブログで紹介した手漉き和紙 たにのさんが制作した
和紙を使っています。現在取り扱う商品には、和の雰囲気が漂います。

「和紙と木を用いるのでやはり和風なイメージが強いです。
お頼み成就ストラップは季節によって売れ筋が変わりますし、
サイクリストの方からの要望で自転車向けの交通安全の
ストラップを制作しました。リクエストにも答えたいです!」

関口商店2


雄己さんはこれまで文筆業に取り組んできましたが、
今年から父親の開業した関口商店に合流。父親の健司さんも
息子さんと一緒に仕事をしてみたいと考えていたそう。2人で発想しながら
造形のアイデアを考え、試作を重ねて商品を創造していきます。

「何も無いところからアイデアを出して商品を作り上げるのは
文筆業と似ていると思います。今後も地域の素材を用いながら、
それらをコラボレーションさせて感動してもらえる商品を生み出したい。
発想-創造-感動が関口商店のテーマなんです。」

工房に飾られた古い農機具のミニュチュアは精巧そのもの。
プラモデル世代だからと健司さんは当然にように話しますが、
これから生み出される商品が期待されます。今後もお陰さまの心を
大事にしながら、地域活性化にも積極的に関わっていきたいそうです。


■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049

Tag:手技で魅せます 

手技で魅せます Vol.9 アトリエあゆす

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から「オルゴールCD」
制作する アトリエあゆす 高橋れい子 さんです。


ときがわ町西平地内のご自宅でお話しをうかがいました。

高橋れい子1


「最初は独学で始めた木彫でしたが、県内の彫刻工房で
3年間彫刻を学びました。その後は美術展への出品や個展
開催しながら人形仮面肖像などの制作をしてきました。」

木彫の人形や看板、オルゴール曲など、多彩な作品を制作する
高橋さんが最初に取り組み始めたのは木彫でした。
22歳のある日、介護をしていた自分のお祖母さんの無垢な表情
印象に残り、人の顔を作りたいと思ったそうです。

「ときがわ町に引っ越して20年近くになりますが、
自宅周辺は緑あふれる自然豊かな場所。
日々の暮らしの中で曲や詞が生まれるようになりました。」

高橋れい子2


作曲した自分の曲はしばらく楽譜のまま眠っていましたが、
手回しオルゴールとの出会いをきっかけに、パソコンでCDに編集。
「ときがわいやしろ地」と名付けられたCDは2作目まで制作されています。
いやしろ地とは「生命がよみがえる場所」という意味があるそうです。

そして2011年に制作された作品「小さな命」は、高橋さんのご自宅の
近隣の養老牧場(ときがわホースケアガーデン)で余生を過ごす競走馬や、
そこに集う動物たちが主人公。ここ10年ほどに生まれた作品で、包み込むような
オルゴールのメロディーと、菅井千春さんのやさしい歌声が流れます。

「牧場に暮らしていたロージィというロバが印象的でした。
世話をしていた方から言われた「このロバは神様なんだ」という言葉。
ロージィ自身は何もしないけれど、出会った人たち誰もが癒される
という存在だったんです。動物が主人公の曲はこのロージィが初めてでした。」


↓ココから曲の一部を聴くことができます♪
ふわふわろばのロージィ(視聴)


オルゴールの音を「月の雫(しずく)」と例える高橋さん。
穴のあいた帯状のカードを指し込んでハンドルを回すと音楽が流れる
オルガニート(手回しオルゴール)は、その動きにも目を奪われます。
曲を聴いてくれる人の輪を、水が浸透するように少しずつ広げたいそうです。

高橋れい子3


昨年にはロージィが主人公の歌紙芝居「ふわふわろばのロージィ」を制作。
来る4月18日(土)、19日(日)にときがわ町大野地区の
旧大椚第一小学校で開催されるイベント Artokigawa展 では、
作品展示とともに歌紙芝居とフェルト人形の手作りワークショップを行います。

「ときがわ町周辺の作家の方の作品展示音楽コンサートとして
昭和の香りが漂う昔懐かしい木造校舎で様々なアートを体験できます。
輪郭がやさしくぼやけるフェルトの特性を活かした人形を一緒に手作りしましょう。」

また、Artokigawa展の18日(土)13:00から、菅井千春さんの
オルゴールと歌の演奏が予定されています。ぜひお出かけください。


この紙芝居は印刷された文字を読むことが困難な方のために、見ながら
聞くことのできる電子図書(マルチメディアデイジー)としても
データ化されています。詳しくはアトリエあゆすのホームページの
マルチメディアデイジー「ふわふわろばのロージィ」のページをご覧ください。


■アトリエあゆすホームページ
 http://www.ayusrei.com/

■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049

Tag:手技で魅せます 

手技で魅せます Vo.8 吉原直子

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から「マスク」をメインに
制作する 吉原直子さんです。


建具会館でお話しをうかがいました。

吉原1


「実は10年前ぐらいから花粉症なんです。
手芸は以前から好きだったこともあり、それなら
自分で使うマスクを作ってみようと思いました。」

吉原さんの作るマスクは可愛い柄物です。
マスクといえば一般的に白い布で作らるイメージですが
以前勤めていた職場で柄物のマスクをしている人を見かけ
自分も同じような可愛いマスクが欲しいと思ったそうです。

「売っている場所を探したんですが、なかなか見つからない。
それなら自分で作ってみようと(笑)高校は家庭科で学んだし
ミシンも好きなので、趣味の延長線上のような制作です。」

吉原2


6年前にときがわ町に引っ越し、現在は大野地区にお住まい。
大野地区は山間部で周りには花粉症のもととなるスギやヒノキが
たくさん植えられています、これから厳しい季節です…。
花粉症の時期を目の前に、売り上げが伸びているとか。

「建具会館には私の作るような手芸作品のジャンルが無かったので
思い切って出品してみました。初めは普通のサイズのマスクを制作
していましたが、思うように売れなかったんです(涙)
それなら子どもも使えるようにとサイズを小さくしてみたら反響がありました。」

最近は使い捨ての商品が多く、それはマスクも同様。
吉原さんの作るダブルガーゼのマスクは不織布で作られた
使い捨てのマスクに比べてしっとり感が高いようです。
お好みの柄が入手できれば、親子ペアのマスクも作れますよ!

吉原3


制作は集中的に、ついつい没頭しながら行うそう。
ご自分の育児の中で子ども服も自作をしてきた吉原さんですが、
今後はスタイ(よだれかけ)なども作ってみたいとのこと。

「自分の作ったものを誰かが身に着けてくれると思うと嬉しいです。
大量生産されるものに比べると、素人っぽく見えてしまいますが
可愛さと使い心地でみなさんに喜んでいただきたいです。」

他にもシュシュ(ドーナツ状の髪留め)などの品揃えがあります。
吉原さんの作品は建具会館で展示販売していますので、
建具会館にお越しの際は実際に手にとってご覧ください。


■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049
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Tag:手技で魅せます 

手技で魅せます Vo.7 都幾川窯 草薙洋二郎

建具会館に出品される数々の工芸品はどれも逸品揃い。
これらを制作する方をご紹介する「手技で魅せます」のコーナーです。

今回ご登場していただくのは、工芸品部会から「陶器」を制作する
都幾川窯 草薙洋二郎さんです。


ときがわ町番匠地内のご自宅兼工房でお話しをうかがいました。

草薙1


「私の父(初代の榛竹庵・はんちくあん)も陶芸家でした。
父の仕事を手伝いながら陶芸の道に進み、
現在の工房を窯を開いて33年になります。」

草薙さんが得意とするのは青磁と呼ばれる焼き物。
特徴的な美しい青緑色は、厚く塗られる釉薬と同時に
釉薬により器が重くならないよう、薄く成形する技術が重要。
釉薬の厚みから美しい貫入(かんにゅう)が多く入ります。

「貫入とは磁器の表面に出る細かいひびのことです。
このひびの割れ方が焼き物の観賞時の重要な着眼点。
釉薬の熱膨張によって模様のよう割れ目が入りますが、
実はデータをとって計算しながらコントロールしています。」

草薙2


上の画像は志野焼の茶碗。
左が初代(お父さん)で右が二代目榛竹庵(草薙さん)の作品です。

陶芸は粘土をこねて形を作る細工仕事の段階と、
窯に入れて焼く窯仕事に分かれます。草薙さんいわく
粘土をこねて形を作るのは夢があるので幸せな時間、
窯仕事はいわば化学なので、上手くいかずに思うように
ならないと、燃料費がかかってしまうし何より悔しい。

「でもね、失敗してもう止めた!とはならないです(笑)
陶芸をやって失敗すると、原因は必ず自分にあります。
他人のせいにはできませんし、きちんとやるべきことをやれば
成果になって現れます。だから失敗はぱっと忘れるに限る。」

青磁は日本に産地が無いく、マニュアルなども存在しません。
中国の宋の時代に焼かれた現物が博物館などに残っているだけで
思うように作れない悔しさがモチベーションだったそう。
だからこそ草薙さんにしか生み出せない青磁の色は評価が高いのです。


草薙3

現在、草薙さんはときがわ町内で文化協会の陶芸サークル
講座を開いています。町内の講座は20年にわたり、のべ100人以上
指導を受けています。草薙さんの技術を間近で体験できるチャンスです!

「ときがわ町内では木工をはじめ様々な工芸が盛んです。
東京から比較的近いし、陶芸の環境としては非常に良い。
材料の供給源と作り手、売る場所があれば産地になる可能性
ありますので、日帰りで陶芸を楽しめる地域になって欲しい。」

草薙さんの作品は建具会館で展示販売しています。
花器、小鉢、茶碗など、建具会館にお越しの際は
実際に手にとってご覧ください。


■問い合わせ
  建具会館
 ・所在地 埼玉県比企郡ときがわ町大字西平709-3
 ・電 話 0493-67-0049

Tag:手技で魅せます 

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